少し間が開いてしまいました。
リッツ初体験記、最終回です。
夕食後、2人で部屋に戻る。
ロビー階の45Fは別世界。
そして、51Fまで駆け上がる。
部屋入った瞬間に目に飛び込んでくる夜景。
いやはや、すげぇ。
横浜ランドマークのロイヤルパークもすごいけど、ここもすごい。
ん?
テーブルの上に何かが。
花束である。
これは夕食の間に部屋においておくようお願いした花束。
驚いたのがそのセンス。
「華やかに」
「女の子ぽく」
という抽象的な表現でここまで作ってくれた。
驚く相方。
さらには・・・
ケーキが置いてある。
ん?
これはお願いしていないハズだが。
・・・
あぁ、そうか。
これが、ルームリザベーションの方のエンパワーメントなんだ。
うれしかった。
でも、
2つ目のケーキはしんどいなぁ・・・(笑)
十分に呑んでいたので、お茶を入れ、ケーキを頂いてしばしゆっくり。
至福の時間。
ゆっくりとお茶とケーキと景色を楽しむ。
で、風呂に入って寝て、朝になるわけだが、
カーテンを閉めずに寝てしまい、朝方まぶしくて目が覚める。
なんとも美しい夜明け。
・・・・
それにしても、僕はリッツを少し誤解していた気がする。
安易にミスティークや感動を求めて、リッツは語られがちだが、それは違う。
・やわらかさよりも吸水性にこだわったタオル
・2つ重ねても最高にやわらかく寝心地のよい枕。
・同じく、絶妙の硬さのベッド。
そして、決して、おしつけがましくない、ゲストを邪魔しないさりげないサービス。
一見、普通に見えるホテルの「基本」を追求しているからこそリッツはリッツなのだ。
僕の叔父は、白馬で
リゾートホテルを経営している。
部屋の掃除、食事の用意など、高校生の頃から手伝っていた僕にはそれが分かる。
六本木という都会のど真ん中のラグジュアリーホテルに泊まるゲストを快適にしようと思ったら、邪魔しないのが一番だ。
こんなことは猿でも分かる。
でも分かるのと、できるのとは違う。
このホテルは、そういう気持ちに溢れていたように思う。
マーケティング的に言うと、ユーザーベネフィットをきちんと理解している。
AUがドコモを脅かしていることを見ていると、AUの派手なサービスに目が行きがちだが、実は、電波状況・通話音質、そういう基本を徹底していることこそが強さ。
更に、経営者もそういうことを明言している。
リッツとよく並んで称されるレストランCとは、ここが違うのだ。
誰にでも押し付けてくる「感動」(有料)はウザい。
少なくとも僕には (たまに使うけど(笑))
また、翌日のランチは、リッツの中に入っている和食屋で天ぷらを頂いた。
カウンターで食べたのだが、板前さんもリッツの社員。
クレドカードを携帯していた。
でも価格はやはりリッツ。
ランチのミニマムが6000円(笑)
でも、ここの天ぷらはマジで最高!
更に板前さんも仲居さん?のサービスもすばらしかった。
一人のスタッフが誤ってグラスを割ってしまったのだが、カウンターにて食事を終えていた僕らは、すぐに見晴らしのよい窓際の席へと通され、そこにはデザートが用意されている。
ここで再発見したのは、「直営」というリッツの強み。
リッツは、徹底的に「直営」と「正社員」にこだわっているように見える。
レストランのスタッフもすべて正社員らしい。
垂直統合型にかかってくるコストと、従業員の質・サービスの質のバランスを考えた結果、後者を取っている。
更に、社員だけでなくオリジナル(もしくはPB)商品が多い。
チョコ、水、酒、グッズ、とにかく「リッツ」ブランドにこだわる。
合併前のホテル・リッツの名残か、食品系はほぼすべてフランスのエディアール(HEDIARD)。エディアールの紅茶は実家で母が愛用しており、とにかくうまかった。が、ぶっちゃけ、ほかの商品のお味はイマイチだと僕は思う。
が、とにかくこだわるリッツ。
で、当然お高い。
でもそのコストもすべて含めてリッツなのだ。
一泊でかかったコストは、食事も入れれば当然●●万の大台を超える。
それでも、宿泊客はリッツを選ぶ。
が、それでも、更に先があるような気もしてならない。
常連になれば更にすごいサービスが待っているのだろうが、
そういうことじゃなくて、日本ならではの、さりげなさ・ワビ・サビ・いとをかし・・・
もっと「和」「洋」を融合した、粋なサービスが日本のホテルにはできるハズだ。
この2日間、僕自身、かなり多くの学びがあった。
でもやはり、相方が喜んでくれたのが何よりうれしかった。