予想通り、マーケティングの勝負になっています。
「価格戦略」を含めて全てマーケティング。
低価格合戦です。
イオン、セブンイレブンのみならず、小売はこぞってプライベートブランド(
PB)へまっしぐら。
僕もPBの商品企画には何度も携わりましたが、
PBという発想は、そもそも小売(流通)サイドのエゴなんです。
通常商品をメーカーから仕入れる際、
「数をまとめて」購入すると当然安くなりますね。
ガメつい仕入担当者が、欲を出して
小売 「たくさん買うからもっと安くしてくれよ」
メーカー「これ以上は無理ですよ、他のお店さんの目もありますし」
小売 「じゃ、うち専用にパッケージつくろうよ、
うちの専売品だったら他へ角が立たないでしょ?」
メーカー「でも、たくさん買ってくれるって約束してくれないと
怖くて作れないですよ・・・」
小売 「もちろん約束するよ。でも味とかパッケージとか言うこと聞いてね。
で、利益いっぱい欲しいから、もっともっと安くしてね。
数は約束するからさぁ」
メーカー(心の声)
「強引だけど、お得意様だから逆らえないしなぁ。。。
でも数が見込めるから売上にはなるな・・・
となるとうちの上司もNOは言わないな・・・
うちは通常品より利益少ないけど、薄利多売でやるか!」
というのがPBの実情です。
小売店の利益はNB品を売るよりもPB品を売った方が断然高いのです。
利益率が倍以上の場合もザラ。
でも、数を武器に仕入先のメーカーを叩いているから、
利益を確保しつつも低価格で、消費者へ提供できるわけです。
さらに、ナショナルブランド(NB)品よりも品質を落としている場合がほとんどなので
味は落ちるが値段は安い。
という典型的PB品の出来上がり。
素人が商品企画に口を出した、安かろう悪かろう商品、がそもそもPB品なんですよ。
異論はあるでしょうが、僕は絶対にそう思います。
最近ではPB品を「集客のネタ」にすべく、
安くするだけでなく、高級PBをラインナップして、
「ここに行かないと買えない」
みたいな戦略をとっているところもあります。
アリだと思います。
品質を落としたり上げたり、
パッケージも通常品との差異を大きくしたり小さくしたり、
とにかく色々とやっているわけです。
当然、僕もPBのお世話になっていますが、
先に述べたような「エゴ」が"特に"にじみ出ているセブンイレブンのPBは買いたくない。
彼らは圧倒的なPOSデータをデータマイニングして
出店場所に応じて、ほぼ売れる商品「のみ」を陳列するわけですが、
そうなると、PBだらけのクソ面白くもない店内になるわけです。
コンビニは、用もないのにフラっと寄って、
新商品とかなにかしらのちょっとした「驚き」や「エンターテイメント」が売り場であって、
それが消費者の心を掴んで来たのではないでしょうか。
PBが売れると、NBメーカーは当然疲弊させられます。
疲弊が進むと、メーカーは、PB品すら供給できなくなるケースも考えられます。
(なかには自社PB工場までもっている小売もありますが)
先週、幕張のコストコでPB品の水50本を650円で買いました。
最高に助かります。
でも、、PBばかりを安い安いと喜んで買っていると・・・
どんどん小売(流通)が儲かり・・・
エゴがはびこり・・・
回りまわって損をするのは、消費者である我々です。
その前に、
PBのようなニセモノだけで満足しちまうような人間にはなりたくない。
僕もそうです、
田中さん。