GWに、OPENしたてのFOREVER21に行ってきました。
マーケに関る人間としては、「しょせん流行りもの」とタカをくくらず、一通りこの目で確かめたいもの。
KitsonもH&Mも一通りはチェック。
とにかく、とんでもない人・人・人。大行列。
更に驚いたのが、既に見向きもされていないH&M。
原宿ファストファッション戦争は熾烈です。
雨上がりの日曜の夜、運良く行列がなくすんなりと入店。
いざ、噂のFOREVER21へ。
入り口を入ると、まず並ぶカラフルな女性服。
アイキャッチはビビッドな黄色や緑色。
しかも1000円とか2000円とか激安のワンピースなどが並ぶ。
いきなりでこれは心躍るでしょう。
その奥には激安アクセサリー。アジアの露店並の価格。
更に奥へ、上へと続く。
4F建てのビル。
1〜3Fが女性もの。4Fが男性もの。
新聞やTVで報道されている「高級感」はかけらもなく、ひとことで形容するならば「バーゲン会場」。
モラルなく商品を見ては投げる客。
床に散在する服やアクセサリー。
階段にたまるホコリ、ゴミ。
片づけが間に合わないスタッフ。最終的にあきらめモード。
いくら忙しくても、ここは手を抜いてはいけないところ。
プレミアムアウトレットが上手く行っているのは、
正規店とほぼ変わらないファシリティ・レイアウト・接客をしているからでしょう。
H&MもFOREVER21もアメリカで行ったことがあるけれど、
要はジーンズメイトとかシマムラみたいな感じ。
ちなみに日本人が大騒ぎしているアメリカンイーグルも、近いのはジーンズメイトかな。
「売り切れ御免」のH&MやFOREVER21。
日本では、オペレーションや販促を含め、もうひと工夫しないと、このままでは厳しい気がします。
というか前向きな工夫の余地がいくらでもあると思いました。
たとえば、ディズニーランドはゴミひとつ落ちていない。
原宿の一等地で生き残っていくには、「それは、価格帯が違うから」と片付けていい問題ではないでしょう。
移ろいやすい日本のファッションとは言え、定番品の強さはすごいものがあります。
たとえば分野は違うけれど、緑茶市場で生き残っているのは不動の「お〜いお茶」に加え、「生茶」と「伊右衛門」だけ。
これを応用して、基本線は「売り切れ御免」でも、データマイニングをもとに「定番品」も日本向けにつくっていくとか。
(もうやっているのかもしれませんが)
ユニクロで一番売れたのは、ヒートテック。
今大人気なのはその「クール版」。
不景気下、移ろいやすい消費者心理を観察し、
「嗜好品」なのか「消耗品」なのか「中間品」なのか、
この辺りのニーズを嗅覚でかぎ分け、きちんとマーケティングへ活かしていく。
まさにやれること満載。
H&MもFOREVER21。
国内流通にとっては彼らは「黒船」。
今まであぐらを書いていた百貨店や流通が必死にPBを企画したり、マーケティングを見直したりと、日本の流通全体にとってすごく良いことだと思います。
不景気って、安いものばかりが売れてゲンナリする一方で、
本当の意味で贅肉が取れ、空腹で感覚を研ぎ澄ますチャンスですね。